特別な一日 (著者:Justinさま)
「玲人、今時間ある? あのさ……」「昼は和食か洋食どっちがいい? キンメダイが有名らしいんだけど、そうすると煮つけかアクアパッツァかな。どっちが好き?」「車酔…
汐の森を抜けて、夕凪の浜辺へ。
「玲人、今時間ある? あのさ……」「昼は和食か洋食どっちがいい? キンメダイが有名らしいんだけど、そうすると煮つけかアクアパッツァかな。どっちが好き?」「車酔…
『すまん、サキ。高城のことなんだけどさ、実は——』充からの突然の国際電話。話の一部始終を聞き、俺の喉は風を切る。咄嗟に高城に電話するが、繋がらない。その後はす…
そいつに出会ったのは、旭川の買物公園だった。駅から真っ直ぐに伸びる歩行者天国にも短い秋の風が吹いていた。 こっちにきて半年くらい経っていた。姉は元気で明るく…
冷たかった冬の風にも温かな日差しが混じるようになった春。桜の便りをテレビのお天気情報で見るようになった。 休日の夕凪ハウスは午後の微妙な時間の為かとても静か…
ニュースでは梅雨入り宣言なんて言っていたけど、雨の降る気配は全くなかった。 それから十日程経ってやっとぽつぽつ降る日が来始めたな、なんて思っていたら、それか…
きょうの海は穏やかだ。深い藍色、うちくだける白い泡。細く窓を開けると、ざあざあという波の音と潮の匂いが吹き込む。 慣れ親しんだ地元の空気に、私――岬理恵は小さ…
初夏というには早いかもしれない。梅雨の合間に晴天が続いた、そんなある日。 「夕凪ハウス」というオシャレなシェアハウスを切り盛りする渚沢夫婦は、鎌倉が観光シー…
雑踏の中、誰もが身を屈めて歩いている。 日照時間が短く、一日中薄霧のかかるこの国では、それも当然だろう。冬場に好きで外出する者などおらず、目的地に向かって…